私の職場の後輩が新潟市に新居を構え、その記念に棚を作って欲しいという依頼を受けたDIYを嗜む私は工具一式を携え、そのついでと言ってはなんだがせっかく新潟市まで出向くのだからいろいろ楽しみたいということでサーフボードと道着を持って単身新潟市へと乗り込んだのであった。
目的はDIYの他に新潟市屈指のサーフスポット五十嵐浜の偵察と目下、新潟県一の名門と思われる柔術道場レナトゥス柔術アカデミーへの出稽古だった。
日中にサクッと五十嵐浜での偵察を終えた私は夜からやや緊張した面持ちでレナトゥスさんの道場にお邪魔した。
まず道場に入って目に入ったのはキッズの練習生と楽しそうにスイカを頬張るインストラクターの姿だった。そしてこの時私は直感した。
(あ、絶対この先生いい人だ)
そこからは緊張も一気にほぐれ、雑談を少し挟んでリラックスして練習に参加することができた。
練習の流れは普通のジムとそこまで変わった様子はなく
打ち込み→テクニック→スパーリング
の流れで練習は進む。
テクニックではワンレッグXガードへのエントリーとスイープ何種類かでとても実践的で勉強になった。ぜひ自分の物にしたい。
そしてなんとも激烈だったのはスパーリング。
スパー時間こそ私の通ってる道場と同じ1R5分だったがなんとこの道場リカバリータイムがなし。
もちろんラウンド間の休憩は個人の自由なのだが私は出稽古させてもらっている身。皆さん
(こいつはどのくらいできるやつなんだ)
(俺にないテクニックを持ってるのか)
(俺のが絶対強い)
等、思惑は人それぞれだとは思うがありがたいことに私に休む暇を与えてくれずスパーリングを申し込んで頂ける。
それを必死の形相で受けて立ち続ける私。さすがに全ラウンド参加は命の危険を感じたため目で
(頼むからこのラウンドは休ませてくれ！！！次は絶対参加するから！！！)
と周りの皆さんを威圧してなんとか死を免れることはできた。
さらに言えば私は自分の道場を背負って出稽古に来させて頂いている身、間違っても情けないスパーをする訳にはいかない。
そしてスパーをしながら自分の中で誓いを立てた。それは
・白帯を圧倒する。
・同帯もしくは一個上の帯の人からは絶対に一本は取らせない。
・茶、黒帯の人からは一本取られても致し方なし。
である。
必死の形相でスパーリングを掻い潜りなんとか自分で立てた誓いは守り通せたと思う。
そして私は思った。
(ここに時々練習に来れば必ず今より強くなれる)
と。
練習終わった後にすぐに先生の元に駆け寄り出稽古を受けて頂いた感謝とこれからも定期的に練習に来させて頂いていいかと頭を垂れた。
先生は快く許可してくれた。とても嬉しかった。
本当に今回勇気を出してレナトゥスさんに出稽古に来て良かった。必ずまた来ます。
